ビジネス法務エグゼクティブ
(ビジネス実務法務検定1級)
特定行政書士 安平 一樹
事業復活支援金申請から給付されるまでの期間につきよく質問を受けますので、多数の事前確認及び申請代行経験に基づいた目安を類型化して示します(事前確認を受けた方からの報告等及び当事務所の申請代行経験に基づく類型化)。
なお、2022年4月時点の状況であり、申請期限が迫る5月から申請数が急激に増えた場合は審査が遅延するものと予測されます(昨年の一時支援金の例に基づいた予測)。
1 一時支援金・月次支援金受給者で、かつ、申請内容に問題のない場合
早ければ申請した翌日には審査が通り「振込手続中」となり(かかっても数日)、そこから数日以内に事業復活支援金が振り込まれます。
2 一時・月次支援金を受給しておらず、かつ、申請内容に問題のない場合
概ね数日以内で審査が通って「振込手続中」となり、そこから数日以内に事業復活支援金を受給できます。
3 申請内容に軽微な不備がある場合
一時支援金・月次支援金の受給歴に関係なく、申請内容に軽微な不備がある場合、不備通知が届くまでに数日かかり、そこから再申請して審査が通るまで数日、さらに受給まで数日程度かかります。
なお、一時支援金・月次支援金の受給歴がある場合、不備通知が届くまでの期間が若干短く、早ければ翌日には通知されます(審査が簡略化されているため)。
4 申請内容に事務局審査基準(マニュアル)に照らして疑問点がある場合
申請内容に事務局審査基準(非公表)に照らして疑問点がある場合、不備通知が届くまでに1~2週間程度かかり、それに対して的確に再申請すれば数日で審査が通り、その数日後には振り込まれます。
なお、一時支援金・月次支援金の受給歴がある場合は申請内容が簡略化されるので、この不備通知が届く確率は下がります。
5 申請内容に疑いをかけられた場合
これがいわゆる「不備ループ」となるかの分かれ道となり、審査に長期間かかっている場合が該当します。
一時支援金・月次支援金の受給歴だけでなく、過去の不備ループ歴も関係なく、改めて事業復活支援金申請の基準に基づき審査されていると考えられます。
ケースに基づきその根拠を説明すると、疑いをかけられたため審査が遅延していると思われた方で2週間程度で「振込手続中」となった事業者もいれば、前者と同程度の申請内容(疑われた要因が確定申告書の同じ箇所にあると分析)で3週間程度で「不備ループ」に該当する通知が届いた事業者もいます(前者・後者ともに一時支援金及び月次支援金10月分まではすべて受給済み)。
他方で、月次支援金で不備ループとなった事業者で、当職がそれを解消し受給に至った方のケースで、審査に1か月程度を要しましたが無事に「振込手続中」となり受給された方もいます。この方の場合、事業復活支援金では月次支援金で不備ループとなった原因に対処して当職が申請代行しており、やはり月次同様に審査部に疑いをかけられたものの、対処法が功を奏し「ギリギリのところで命運を分けた」ものと予測されます。
つまり、申請内容に対し疑いがかけられた場合、審査が長期化し、「給付に傾くか不備ループに転ぶか」がこの土俵際で決まります。
6 まとめ
申請内容に問題のない場合は早めに受給できますが、審査が長期化しているときは要注意です。
これまで出てきた内容(不備ループ等)は知らない方もいると思いますので、詳しくは当事務所の事前確認を案内した下記サイトを参照ください。
事業復活支援金の事前確認
なお、事業復活支援金申請において、申請上の注意点を論理的・網羅的に解説した電子書籍を「全申請者に送る必携の書」として執筆しましたので、詳しくは下記記事を参照ください。
【電子書籍のご案内】事業復活支援金申請の注意点~「不備ループ」に陥らないために~