2022年6月3日
ビジネス法務エグゼクティブ
(ビジネス実務法務検定1級)
特定行政書士 安平 一樹

これまで、月次支援金「不備ループ」からの不給付決定を経験しているAさん(個人)・B社(法人)・C社(法人)の事業復活支援金申請を当職が代行し、受給に至る成果を報告してきました。
月次支援金で不備ループが生じた原因として、Aさん・B社は「事務局審査部の誤解」によるもので、C社については「事務局審査部の審査基準に合理性があった」ケースでした。
Aさん・B社のケース
C社のケース

そして、新たに月次不備ループからの不給付決定を経験しているD社及びEさんの事業復活支援金申請を代行し無事に通しましたので、守秘義務に反しない範囲で事例を紹介します。
本事例の共通点は、D社及びEさんともに、月次支援金の不備ループ対応を当職に依頼したものの(当時は当事務所で事前確認を受けていない方の不備ループ対応を受任していたため)、当職によっても不備ループの解消に至らず不給付決定を受けていることが挙げられます。

1 D社(法人)のケース

D社は一時支援金で不備ループに陥り、自身で14回再申請をしても解消できず苦しんでいたところで当職に相談がありました。
そして、一時支援金の不備ループは当職が原因を見抜いた上で再申請し、1度で解消しD社は受給に至ることができました。

その時点で、月次支援金も複数件、ご自身で申請がなされており、同様に不備ループの発生が予見されましたが、それは現実となりました。
しかし、月次支援金からは不備ループの態様が超マニュアル化され、不備通知どおりの書類がそろうことが必須であったため(原則として説明や解釈、補足資料の提出では補えない)、D社の場合は月次支援金「不備ループ第1審査」は通過したものの、対象月同月に複数回の取引が生じにくい業態であったため、当職が様々な知見を注ぎ込んでも書類の不足を補えず、「第2審査」を突破することができませんでした(月次不備ループ「第2審査」の内容については下記記事参照)。
月次支援金「不備ループ」第2審査の解説

事業復活支援金においては、当職が不備ループを解消した一時支援金のIDを活用し、最初の申請から当職が担当することになりました(D社は当事務所の事前確認を受けていませんが、不備ループ解消手続きを通し、当職が事前確認をしたのと同等以上に事業性を認定できたため特別に受任)。
一時支援金・月次支援金で不備ループとなった原因を分析し特定した上で、事業復活支援金では「シンプルな申請」で通ると当職及び当事務所職員の協議により判断し実行、予想より審査も早く通過して受給結果を導くことができました(同一の事業者でも、一時支援金・月次支援金・事業復活支援金では申請内容に変化が生じ得るということ)。

2 Eさん(個人)のケース

Eさんは月次支援金で不備ループが複数件発生したため、当職に不備ループ対応の依頼がありました。
しかし、Eさんは月次支援金「不備ループ第1審査」の書類に不足があり、それは当職の解釈や補足資料の提出によっても補うことはできませんでした(月次不備ループ「第1審査」の内容については下記記事参照)。
月次支援金「不備ループ」第1審査の解説

事業復活支援金においては、当事務所の事前確認を受けた事業者に限定して申請代行を受けていたため、Eさんは事前確認から受けたいと申し入れてくれました。
もっとも、Eさんは一時支援金や月次支援金の一部の月の受給歴がありましたので、当職がすでに示している「IDの取り直しやそれに伴う事前確認は不要」との立場に基づき、当事務所の事前確認を受けたことがなくても、その気持ちを汲んで申請代行を受けることにしました。

Eさんのケースでは、不備ループが生じ得る複数の要因を可能な限り減少させつつ、給付額の高くなる期間を選ぶというバランス調整に当職及び当事務所職員も苦心したものの、可能な限り満額に近い申請を通すことができました。

3 まとめ

D社・Eさんともに、月次支援金不備ループ発生後は、当職が対応しても不備通知が求める書類に不足があったため不備を解消することができませんでした。
しかし、事業復活支援金では、最初から当職が申請を代行しているため、申請を通すことができました。

不備ループが生じるかどうかは原則として最初の申請で決まり、不備ループに陥った後は脱出が極めて困難であるという、当初より当職が事業復活支援金対応の基礎としてきた姿勢と一致した結論となります。

4 申請代行

当職の申請代行については、当事務所で事前確認を受けた方に限定して受任しており、完全成功報酬型で給付額の5%+税が報酬額となります(不備ループ対応は追加報酬)。
詳しく下記記事を参照ください。
事業復活支援金の申請代行-事前確認から一貫して審査基準に精通した行政書士が担当―

5 書籍案内

また、ご自身で申請する事業者向けに当職執筆の電子書籍「事業復活支援金申請の注意点~「不備ループ」に陥らないために~」を紹介します。
詳しくは下記記事を参照ください。

事業復活支援金申請の注意点~「不備ループ」に陥らないために~(税込330円)

6 難事件編

月次支援金「不備ループ」経験者の全申請をまとめた「難事件編」は下記記事を参照ください。
事業復活支援金の申請代行-難事件編のまとめ-

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